ふるさとを思う

2007.02.01
未―コラム記者ノート

 先日、ブラックバス釣りに初挑戦した。釣りはそんなに好きじゃないのだが、久しぶりに実家に帰って来た同級生からの誘いだったので行ってみた。1匹も連れなかったけれど、天気のいい日に緑に囲まれた静かな場所にいるのはとても気持ちがいい。そんなことをぼーっと考えていたとき、「やっぱりこっちはいいなあ」と友達が言った一言が心に残った。 「省営・国鉄・JRバス園篠線モニュメント」が、篠山市河原町に建てられた。そのデザインを手がけた高槻市の市來照敏さんは、小学1年生のときに篠山へ疎開。それから高校卒業まで過ごしたそうだが、「今でも住んでいた所の近くのことはよく覚えています。20年以上住んでいる高槻のことは、いまだに近所の人の名前も覚えられないのにね」と冗談交じりに話す様子は、ふるさとへの愛情に満ちていた。 「ふるさとは遠くにありて思うもの」。郷愁という面もあるだろうが、ふるさとから離れることで、客観的に見つめることができる。自分も学生時代に半年だけ海外で暮らしたが、そのときは日本人であることを強く感じた。逆に、ずっと住んでいるために見えないことも。 丹波新聞は文字通り、丹波の新聞。しかし、自分は本当に丹波のことを分かっているのだろうか。自問自答している。(坂本守啓)

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