一票の重み

2007.02.01
未―コラム記者ノート

 この春、篠山市で相次いで二つの小規模作業所が立ち上がった。その一つ、「WANT(ウオント)」が情報紙の発行に取り組んでいる。作業所の活動をPRするとともに、障害を持つ人にさまざまな情報を提供しようというもの。その4月号に、選挙に関する記事が載っていた。 たとえば、知的障害者が投票しようとすれば、代理投票という制度があるそうだ。読み書きができなくても投票所で申し出れば、代理人が代わりに投票用紙に書いてくれるというもの。 だが、知的障害者にとって初めて出会う人に自分の意思を伝えるのは非常に難しく、取材した利用者の一人は「これでは投票はほとんど不可能」と話していた。高齢者や身体障害者への対応は進んできているが、知的障害者や精神障害者についてはまだ遅れているという。それでも、記事のむすびで「行動をおこさないと何も始まりません。障害者市民のみなさん選挙に行きましょう!」と前向きに呼びかけていた。 13日は県議選の投票日。その後もすぐに篠山市長選、市議補選、春日、市島、青垣の各町議選も控えているが、どれだけの障害を持つ人が票を投じられるだろう。障害のあるなしにかかわらず、投票する権利も一票の重みも同じ。あたり前のはずだが、そのことをもう一度考える必要があると思う。(坂本守啓)

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