春日インターチェンジ周辺活性化施設の整備に関する検討委員会の報告書がまとまった。 目を引いたのが、施設の管理運営を行う第三セクターが、実際にどの程度の施設に係わるのかを示した一項。「地域振興施設」の一つとして整備する、農畜産物加工施設と多目的ホールの扱いが焦点となり、報告には異なる二案が併記された。 加工施設・多目的ホールともに、採算の見込める商品づくりやイベントにだけ関わり、あとは町の管理とする「部分関与」と、両施設とも三セクが管理運営を全面的に行う「全面関与」の2つだ。前者は、三セクの経営安定を重視する考え。後者は、施設全体を管理することで、物産館などとの円滑で一体的な運営を行おうという意見である。 報告書で、部分関与には「現実的な選択」、全面関与には「本来の姿勢」という表現が使われた。町の財政状況が悪化し、また、合併論議が進む現在、大型ハードの整備を伴う今構想を取り巻く環境の難しさが、この微妙な言い回しから読みとれる。 しかし、民間からも出資を募る三セク方式をとる以上、採算性を無視することは出来ない。採算性を求めた上で、より広い地域に恩恵があるかたちを採用することが、今後の計画づくりに求められている。事業の具体化を進める町が担う役割と責任は大きい。(古西広祐)