17、18日に催される柏原厄除大祭。「三丹随一」といわれる厄除大祭で、今年もにぎやかな2日間になるだろう。 盛り上がる厄神さんムードの陰で、昨年と同じ悲しい出来事があった。古くからあった町家がまた一軒取り壊され、更地になってしまったのだ。 昨年の17日のことはよく覚えている。柏原高校近くの立派な屋敷が、雨の中、ブルドーザーでバリバリと壊されていく光景を見た時はショックだった。思わず門の中に入り、「丹波新聞ですけど、どなたのお屋敷ですか。何で壊すんですか」と聞いたと思う。 その家の持ち主は地元を離れていて、ずっと空き家だった。織田家家老の屋敷だったそうだから、当時としても大きな家だったと推測される。 柏原町は「ロマン城下町かいばら」をうたい文句に、観光に力を入れている。それが足元から崩れるような状態を放っておいてはいけないのではないか。何100年もそこにあった“風景”は今住んでいる人たちだけのものだろうか。 街並みの保存は、個人の権利と衝突して難しい部分が多い。歴史的価値があるというところまではいかないが、街並み景観には必要な民家。妥協点を探して何らかの対策を打たないと、まちの魅力がどんどん失われてしまう。(徳舛 純)