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2007.02.01
未―コラム記者ノート

 今田町で丹波焼の修行を積み、独立した芦屋市出身の野村豪人さんを取材した。地元出身でない人が立杭地区という限られた範囲で、しかも登り窯の建設に適した土地を探すのというと、大変難しいことだという。それでも、陶芸家を志したときから出身地ではなく、立杭の地で工房を構えようと目指してきたといい、苦労しながらも実現させたそうだ。 ところで、話を聞いていて出身地を確認すると、「“芦屋のボンボン”と思われると困るんです」という。深く考えずに聞いたのだが、なるほど、確かに“芦屋”と聞けば、“高級住宅地”とイメージする人が多いかもしれない。「ここもローンで建てたし、簡単にやってきたわけじゃないんです」と苦笑していた。 われわれは初めて人に出会うと、何かしらの情報を得てどういう人か判断する。出身地、経歴、肩書き、容姿、所作、話し方などなど。そして、情報が少なければ少ないほど、誤った判断を下してしまう恐れが増えると思う。 取材していても、自分の勝手な判断や思い込みで間違ってしまうことがある。また、記事に情報を詰め込み過ぎて冗長になり、かえってわかりにくくなってしまうことも多い。「読者に偏ったイメージを与えない、簡潔でわかりやすい記事」を心がけたい。(坂本守啓)

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