「乳の木さん」の愛称で知られ、幹周りが10メートルと兵庫県内で最も太い常瀧寺(丹波市青垣町)の大イチョウが落葉を始め、山中に黄色のじゅうたんが広がっている。穴場の撮影スポットで、阪神間からアマチュアカメラマンが訪れている。
今年は11月の最終週になって黄葉、その後の強風で吹き飛ばされた青い葉と共に散っている。
天正5年、明智光秀が丹波国を平定した「丹波攻め」で焼かれるまで、大イチョウのそばに同寺があり、寺が山裾に移転した後も、大イチョウは山中に残っている。
伸びた枝からこぶ状の突起が垂れ下がる様を「乳」と見立て、古来、母乳の出が悪い人がこの樹皮を服用すると効果があると信仰されている。