高齢化率の高い篠山市宮ノ前に、お年寄りや地域住民の憩いの場となる小規模施設「風和」がオープンした。一人の女性が行動を起こしたことがきっかけとなったが、地元自治会が賛同し、地域ぐるみで運営していくことになった。県にNPOの認証を申請中だ。 オープンイベントには地元のお年寄りたちが大勢詰めかけ、期待の高さをうかがわせた。交通の便が悪い地域では、高齢者や地域の人たちが集うための大切なキーワードは、家からの距離や、人間関係も含めた「身近さ」だと実感した。 自治体は厳しさを増す財政事情などから合併が進んでいる。多紀郡は合併して篠山市となった。氷上郡では「合併は必要」という方向で協議が進んでいる。遠い将来には篠山市と氷上郡が一つになろうという動きさえ出てくるかもしれないが、一方で自治体がいくら規模を大きくしていっても、これから先も揺らぎそうにないのが最小単位の集落だ。 少子高齢化、若者の都会への流出などにより、地域を支える人がいなくなるという危機感を多くの集落が抱えている時代。地域に活力をもたらそうとイベント的な村おこしだけでなく、高齢者や子供たちを支える様々な取り組みが広がっているのはうれしいことだ。集落が市や町を動かすというまちづくりができれば理想的だ。(芦田安生)