新発想で元気を

2007.02.01
未―コラム記者ノート

 合併協議会が発足した当時、たびたび言われていたのは「合併を選択肢の一つとして考え、氷上郡の将来のまちづくりについて論議を」ということだった。しかし是非判断が近づくにつれ、こうした長期的な夢を描くことよりも、ひっ迫した財政状況ばかりが強調されていったように思う。 「田舎で子育てがしたい」と春日町にUターンした小橋昭彦さんは、東京にインターネット関連企業を持ちながら、地元で「シフトアップかすが」を立ち上げ、「ITまちおこし」の旗手として奮闘している。そんなライフスタイルを、都会の人がうらやましがっている。 「氷上郡を盛り上げよう」と集まった「HIKAMI活性化プロジェクト」の若者たちは、クラブイベントやダンスフェスタ、アカペラフェスタなどを次々と企画し、最近では年配者からも「頼もしい」と期待されている。私も取材を通じ、こうした新発想人たちに刺激を受け、元気をもらう。 「活性化」のために本当に必要なのは、行政の「施策」ばかりではない。財政見通しは「真っ暗」かもしれないが、お金がなくても素敵なまちをつくることはできる。生活を楽しむためには、住んでいる所が好きな方がいい。「それが難しい」のは分かっているが、まちの将来のために少しでもアタマをひねってみたい。(徳舛 純)

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