行革と滞納

2007.02.01
未―コラム記者ノート

 篠山市に納める市税や市営住宅の家賃、保育料などの滞納が総額で6億円を超えると聞いて驚いた。6億円もあれば、何か思いきった政策でも打てそうな額だ。長引く不況の影響もあって自治体の税収が落ち込み、行財政改革を強行に推進せざるをえないのは同市も例外ではない。 同市がまとめた昨年度の行政改革の効果額は5億5500万円。1昨年度と合わせると約7億4000万円の効果をあげたという。行革の効果額と、市民の滞納総額にあまり差がないことをどう考えればよいのだろう。 保育料でいえば、その家庭の所得に応じて段階的に料金が定められている。それでも滞納があるということに問題があると議会でも議論されている。市も特別徴収班を編成し、約335万円を徴収したというが、総額から見るとわずかな額であり、職員の苦労が垣間見える。 もちろん、やむをえない事情を抱えている人もあるだろうから、一部で滞納があるのは理解できる。徴収率から見ると滞納しているのは一部の人といえるのだろうが、6億円ともなると首をかしげたくなる。 限られた予算の中で、費用効果の高い政策を打つのが行政の役割であり、1円でも無駄にしてはいけないのは大前提だ。市民は税金の使い方に厳しい目を向けるべきだが、滞納が6億円あるという事実も受け止める必要がありそうだ。(芦田安生)

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