9月は高齢者福祉月間であり、15日は敬老の日。元気に活躍しているお年寄りに出会った。 篠山市南矢代の酒井貞美さんは、子どもたちを指導するために60歳を過ぎてから柔道を開始。最初は子どもたちと一緒に、見よう見まねで練習してきたそうだが、現在は三段の腕前に。今も現役で週に2回、玉津柔道教室で指導を続けている。 また、世界的にも珍しいレース編みの技術を紹介する本を自費出版した、同市川北の山本幸子さんは74歳。独創的な手法のため、図で表すのも文章にするのも苦労したそうで、出版までに3年かかった。「英語はぜんぜんできないんですよ」と言うが、イギリスやデンマークに出向いてワークショップを開くなど、技術を伝えるために国際的な活躍をしている。 2人とも「もう年をとってしまって」と笑われるが、かくしゃくとしている。酒井さんは「これからも体力の続く限り、子どもたちのために柔道を続けたい」、山本さんは「私が受け継いだ技術を絶やすのではなく、次の世代に伝えていきたい」と、ますます意欲を燃やしている様子。 目標を持って前を向いて進んでいく力強さを感じ、元気をいただくと同時に、こっちも負けていられないな、と思わされた。まだ老いということを考えることは難しいが、2人のような年の重ね方は素敵だと感じた。(坂本守啓)