心地よい師弟関係

2007.02.01
未―コラム記者ノート

 「県下最大の民謡の祭典」と言われるビックイベント、デカンショ祭を陰で支えているのが篠山商工会青年部だということをどれくらいの人が知っているのだろう。企画段階から詳細の段取りまで、当日が近づくに連れ、彼らは多忙を極める。 祭のキャッチコピーを見てみると、昨年は「…ファイナルアンサー…」、今年は「1、2、3…ダァー」ときている。デカンショ振興会、実行委員会の肩書きのある人たちが、そんな青年部の企画書を読んでいる会議の席には、何とも不思議な空気が流れていることだろう。 変な興味がわいて青年部の人に話を聞くと、トップダウンではなく、若手の意見をくみ上げようとする雰囲気が伝統的に確立されているという。「一見、ふざけたような企画でも、きちんと話を聞いてくれる」。近所のおっちゃんと子どもという関係がそのまま年月を経たような、心地良い師弟関係がそこには存在しているようだ。 五十回目を迎える今年のデカンショ祭。小学生クイズ大会、同窓会連、臨時バスの運行。青年部が考え、幹部も認めた企画だ。これらを成功させるために、毎日のように顔を合わせ、検討、打ち合わせが祭当日まで続く。「しんどい言いながらも、みんな集まってくる。変な集団ですわ」と、ある部員。その表情を見ていると、当日が楽しみになってきた。(芦田安生)

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