篠山市で開かれた「スポーツクラブ21ひょうご啓発セミナー」を取材した。セミナーでは、3つのスポーツクラブの代表が、それぞれ運営上の課題や現状を報告した。 パネリストとなった3団体は、NPO法人となっているところ、町域で組織しているところ、小学校区で運営しているところ、と規模や体制もそれぞれだが、▽スポーツ保険料が会費の大半を占めている▽そのためにクラブのふところ事情が厳しくなっている▽会員の増員-などは共通の課題だった。県からの補助金が切れたあとの運営を心配する声もあがっていた。 保険料については、会場から「保険会社は“おいしい”市場を見逃している」という意見が出ていたが、営業努力による値引きに期待したいところ。「西紀南」では行事を知らせるチラシに広告を募ったり、特典として市内のレクリエーション施設の入場料、車のオイル交換を割引するなど、運営費の捻出や会員増に向けて知恵を絞っている。 スポーツクラブの現状を聞くと、まさに自治体運営の縮小版と言える。保険料は人件費や国県からの借金、会員は人口、県からの補助金は期限付きの合併特例債のようだ。篠山市は兵庫国体の会場となる。表面上の盛りあがりではなく、これを機にスポーツという文化が根付いた地域となるよう、関係者の経営手腕に期待したい。(芦田安生)