ワラの大蛇をかついで村内を回り、無病息災や五穀豊穣を祈る珍しい伝統行事「蛇(じゃ)ない」が、兵庫県丹波市山南町で12日、行われた。
江戸時代から続いており、市指定無形文化財。同町応地地区の大歳神社境内に新ワラを持ち寄り、約20人が朝から3時間がかりで長さ約8メートルの大蛇をないあげた。
完成した大蛇は若手男性5人でかつぎ、各所で勢いよく暴れながら全38戸を回った。
応地地区の前には川が流れており、昔、川向こうで遊んでいた村の子どもたちが、急な大雨で橋が流され、帰れなくなって泣いていると、どこからともなく大蛇が現れ、胴体を橋にして渡してくれた―という伝説が残っている。
大蛇にかんでもらうと、子どもは学業の成績が上がり、大人は病気などが良くなるともいわれており、各家では訪問した大蛇にあやかりながら、お酒などを渡してかつぎ手たちをねぎらった。