合併に伴い、中学校の通学区変更を検討している篠山市教育委員会が、城南小学校の保護者を対象に開いた懇談会を取材した。城南小校区は、現在の丹南中学校区から篠山中学校区に変更する方向で検討されている区域。予想されていたとおり活発な議論が交わされた。 中でも目立ったのが、関係する地域への説明の遅さを指摘する声だ。今回に限らず、「噂ばかりが先行して情報不足に不安を募らせる市民」と、「あくまで方向性であると強調しても、決定したかのような噂が広まるのを恐れて説明が遅くなる行政」という構図は、しばしば問題になることだ。 今回の懇談会では「最終的に篠山東中学校に篠山中学校が吸収されると聞いたが本当か」といったびっくりするような質問も出ていたが、裏返せば市民はそれだけ情報不足に不安を募らせ、それがさまざまな噂話を生み出し、新たな不安を呼ぶという悪循環が見え隠れしているように思えた。 行政側が説明するように、方向性も定まらぬうちに「さぁ、意見を出して」といっても考える材料がなければしょうがない。一方で現代は、情報公開、住民参画、行政の説明責任が原則。時代は変わっても住民が必要としている情報を提供するのが行政の重要な仕事であることに変わりない。重要な課題ほどオープンにすべきだ。(芦田安生)