「丹波」ブランド

2007.02.01
未―コラム記者ノート

 昨年まで4年間、大学に通うため西宮市で一人暮らしをしていた関係で、阪神地域に友人が多くいる。その友人のほとんどが親元から学校に通っていたので、彼らと会うためにかの地に行くと、自然と先方のご両親にも厄介をかけることが多くなる。 気心のしれた友人同士といっても、向こうの両親に迷惑をかけることに変わりはないので、友人宅に遊びに行くときは、なるべく「お土産」を持っていくように心がけている。そういう時に感じるのが、「丹波」の持つブランド力だ。 先日、鎌倉から春日町に引っ越してきた夫婦を取材した時、ご主人から「丹波に住んでいると伝えると、『じゃあ、何かうまいものを送ってくれ』と言われる」という話をきかせてもらったが、確かに友人も「丹波の○○を持ってきたよ」と告げると、加工品、野菜を問わずとても喜んでくれる。20歳代前半の友人にまで通用するのだから、「丹波」のブランドイメージはかなり強力だ。 恵まれた自然と先人たちの努力が築き上げてきたこのブランドは、それを扱う産業はもとより、その土地に暮らす人も含めた地域全体を元気付ける力がある。「外に発信できる“本物”がある」メリットをどう活用するのか、これを探ることが、「地方の時代」を地方で生きていく我々の「宿題」ではないだろうか。(古西広祐)

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