「食育」関連の取材が続いている。就職する前、調理の真似事をしていた時期もあり、食に対する思い入れは人一倍強く、興味深く話を聞いている。先日、丹波市の食育推進会議の初会合で、公募委員の実践談が心に残った。 「食欲がなくても、食事時には、食卓に顔を出すようにしている。そろって食事をし、話をすることが、食育の基本」(市島の西山武男さん)。「家族の誕生日には赤飯、運動会には栗おこわを作ると決めている。将来、子どもが赤飯を食べる時、家族を思うだろう。ごちそうはいつでも食べられる。思い出になる食を大切にしたい」(柏原の西本富子さん)。 ある取材先で、三歳から十一歳の時期が特に大切と聞いた。「すずめ百まで」の例に漏れず、早くに資質を磨くのがよさそうだ。 しかし、わが身を振り返ると、食に関心を抱くようになったのは、二十歳を過ぎてからだ。カラシがカラシ菜の実から作られることを知ったのは、大学在学中だった。食育は、勉強に似ている。何歳からでも始められる。簡単に「自習」できるのがいい。お父さん方も晩酌のアテといった身近なものから「食育」してみてはいかがでしょう。(足立智和)