自治会やまちおこし団体など地域団体の活性化事業の活動費を助成する「丹波地域団体活動パワーアップ事業」の募集が始まった。事業は「こころ豊かな美しい丹波推進会議」が丹波県民局の委託を受けて実施する。全県、県民局単位で行われているもので、今年で5年目になる。これまで、丹波地域では特に、少子・高齢化、過疎化、農地の荒廃の問題を解決しようとする事業が多く見られる。 実施されてきた事業の内容は、大きく三つに分けられる。その特徴を見ると、丹波地域の現状と課題が分かる。一つ目は、自分たちが住む環境を良くしようとする「景観」事業。過疎化や生活様式の変化により、共同で維持できなくなった山や、後継者がいなくなった農地などで、里山を整備したり、花や緑を育てようとするもの。二つめに、「食と農」事業。食の安全や安心が脅かされる中で、丹波地域に豊富な農地を復活させ、食について見直すというもの。三つ目は、祭やイベントなどで地域の活性化を図る「交流」事業。少子高齢化、過疎化で伝統の祭や行事がなくなり、希薄になった住民同士のコミュニケーションを復活させるというもの。 事業の申請団体数は2003年が46団体。その後、47、43と推移。昨年は29団体と大きく減少した。4年たって一定の効果が出て、各地域団体が自立したのではと捉えることもできるが、取材で回っていると、まだ事業が認知されていないという現状もある。昨年度は約3分の1の団体が継続して事業を受けている。新しい取り組みをしようとする団体は大いに事業を活用したいものだ。また、公開審査という場で地域をPRすることもできる。 丹波地域のまちが抱える課題は共通する部分が多い。情報を共有し、切磋琢磨することで丹波地域全体が「パワーアップ」する機会にしてほしい。(坂井謙介)