河南さんと子ども

2007.04.24
未―コラム記者ノート

 篠山市東古佐の河南勲さん(64)がコツコツと整備した里山をみせてもらった。河南さんが「オーイ」と呼ぶと、小学低学年から中学1年生までの7、8人がすぐに集まった。里山は河南さんの自宅から畑を挟んだ所にあり、すぐ近くに新興住宅が数軒。ここの子どもたちが休みのたびに遊びに来るらしい。 チェーンソーを使って1人で木を伐採し、里山の整備を始めたのは「子どもたちに田舎だからこそ味わえる体験を伝えたい」という思いから。10数年経ち、夢が形になるところまできた。 河南さんは4年前に脳内出血を起こし、今もひきつけの発作がたびたび起こるという。畑や里山に出ている時に発作が起き、子どもたちが知らせてくれたことが何度かあるそうだ。助けられることもある。 コシアブラ、タラなど木の芽がおいしい木だけを残して伐採したため、これらの木の種が落ちて増え、今では看板どおりの「山菜の森」に。ワラビやフキも生え、大人たちにとっても魅力的な里山だ。近所の人たちに里山や畑の作物を採っていいですよと言っているそうだ。広い心に包まれて、子どもたちも安心して遊べるのだろう。(徳舛 純)

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