丹波市地域医療協議会と、丹波市議会の医療特別委員会の議論について、ひと言申し上げる。守るべきは、病院なのか、医療なのか。この議論、認識が抜け落ちている。このまま協議を続け、一定の成果物をまとめても、「現実離れ」「机上の空論」となるだろう。 「A病院を残せ」「B病院を支援しろ」という議論は、本質とかけ離れている。「どういう医療を、丹波市内で確保しようとするのか」を論じるべきだ。丹波市の医療が直面している課題は、救急と小児科、産科医療だ。内科を充実させ、心疾患診療を再開させる術を探り、小児、産科を維持するための方策こそを話し合わなければならない。 病院というハコは、あくまで医療を提供するために存在している。医療を提供する医師がいないなら、ハコの存在価値とは何だ?仮に民間病院がこれら医療を提供するなら、それで問題は解消される。今、公的、公立病院に抱いている感情は、幻想、もしくは昔の思い出だ。 医療を守ることが病院を守る結果になることはあるにしろ、病院を守ることが、医療を守るということにはならない。結論を出す前に「本質」の協議、研究を。(足立智和)