感謝の好連鎖を

2007.06.25
未―コラム記者ノート

 先日実施した地域医療フォーラムの来場者アンケートで、「相手の立場(医師の立場)に立って考えなければならないと分かった」という感想が複数あった。確かに、患者が「治してもらって当然」「夜中に診てもらうのも当然」という態度では、医療スタッフの努力と誠意を踏みにじっている。あげくに医療ミスで訴訟となれば、ハイリスクの診療科で医師が減るはずだ。 これは、医療だけでなくどの職業にも当てはまることだと思う。学校でも的外れの要求をする保護者が増えていると聞くが、どうだろうか。その他の職業でも、「お客様が偉い」という価値観が強くなりすぎてはいないだろうか。 当たり前のことだが、病院で働く人も、施設、お店、会社など、どの場所で働いている人も全て「人間」だ。仕事は報酬を受け取るものではあるけれど、それとは別に感謝の気持ちや、プロとして尊敬する気持ちは忘れたくない。 地域医療崩壊問題で明らかになったが、権利の押し付けは大切なものをつぶしてしまい、ひいては自分にはね返ってくる。「ありがとう」の好連鎖で、住みよいまちをつくっていきたい。 (徳舛 純)

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