篠山デイサービスセンターには、毎週金曜日の利用日に3、4首ずつ短歌を持ってくる93歳の男性がいる。小さく切った広告の裏紙に筆ペンでしたためてあり、この短歌を1年分、職員がまとめて冊子を作った。男性は照れながらもうれしそうだった。 同センターは昨年4月に指定管理者制度が導入され、市の直営から特定医療法人社団紀洋会の運営に変わった。今田デイセンターも今年度から同法人の管理になり、市直営のデイセンターはなくなった。 サービスの内容は利用者からみて向上した。開業日が増え、時間も延長。筋トレのマシンを導入し、介護予防メニューも組み入れた。また「地域の人にも気軽に来てもらいたい」と寄席も企画するなどユニークな運営をしている。 財政面からみても、この2施設は指定管理者制度導入の成功例といえる。ともに1000万円以上あった運営費の赤字がゼロになった。 男性の短歌は、「毎週持ってきてね」と職員が声を掛けたことで1年間続いた。行政直営のころなら、特定利用者のために冊子を作るのは難しかっただろう。民間にゆだね、いい風が吹いていると思う。(徳舛 純)