医療をつくろう

2008.02.18
未―コラム記者ノート

 NHK教育テレビ福祉ネットワーク「何が医師を追いつめるか」(14日放送、再放送21日午後1時20分から)をご覧になっただろうか。なぜ丹波が、全国の医療再生のモデルと言われているのかが、端的に現された番組だった。 2年前に初めて柏原病院に取材に伺った時に、「患者を助ける側の人間が、なぜここまで助けられる側の人間に苦しめられなければならないのか」という不条理に、目の前が真っ暗になった。疲弊した医師が「個人の力ではどうにもならない。死んでもすぐに忘れられる」と、したためているのも目の当たりにした。 医師数は足りている。偏重が問題だとしていた政府は2月12日、ようやく医師不足を認めた。不足数を16万人とする説もある(免許を取得している65歳以下の医師は22万人。医師として働いていない人も含む)。 不足分を補っているのは、医師の献身的な努力だ。医師は疲れ、患者の助けを必要としている。救急を担っている地方の自治体病院の勤務医なら、例外を探すのは難しいだろう。他科にも、他地域にも「小児科を守る会」の理念を広げ、医師を大切にし、患者と医療者で「医療をつくろう」。(足立智和)

関連記事