サザエさんがいない

2008.02.28
未―コラム記者ノート

 「サザエさん」と言えば、みなさんはどんな印象を抱かれるか。「日曜日の夜」「昭和」「カツオ」など、さまざまあるだろうが、「平和で楽しい家庭」という点では、意見が一致するのではないか。 ある丹波地域の警察官は、「サザエさん」を防犯という視点でとらえている。「いろんなことに、すぐに首をつっこむ」「よくしゃべる」「おせっかい」「誰にでも声をかける」など一見「うっとうしい人」だが、このような行動が、地域の防犯になっている。 しかし今、「地域のサザエさん」がいない。核家族化が進んでいることや、プライバシーの問題などにともなう、「近所付き合いの希薄化」が原因だ。都市部において顕著だろうが、丹波地域でもサザエさんは減少傾向にあると思う。 篠山市では、今年に入って空き巣、不審火の多発など、物騒な話題が多い。警察官は、「みんながサザエさんになって、地域のことに目を配ってほしい」と話す。 きっと、隠れたサザエさんは多い。彼女たちを「うっとうしい」と思うことが、私たちの防犯を妨げているなら、考え方を改めるべきかもしれない。(森田靖久)

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