兵庫医大篠山病院の存続にかかる篠山市と同医大、県との三者協議が、いよいよ大詰めになった。 市はこれまでに支援金として「10年間で計33億円」を提示している。県は4月末の協議で、3億円の県負担増とともに「市があと4億円出してはどうか」と調停案を出した。医大は「それなら応じてもよい」と了承しているという。 なぜ「あと4億」か。市は建設費支援15億円の財源に「合併特例債」をあてる予定だ。通常は7割が交付税として算入される国の起債だが、今回は一般的な建設事業費ではなく、「地域医療にかかる民間病院への補助金」なので交付税算入比率が少し異なる。そのあたりを計算し、「実質的には返ってくる額なので、市は一部を出せるだろう」と県が提案した。 これに対し市長は「職員人件費を年1割減らしても3億5、6000万円にしかならない。すぐに出せる額ではない」と顔をしかめる。 市の負担が10年で37億円に増えれば、1年で3億7000万円。市民病院を持つことに比べれば高い額ではないとの見方もある。あとは、市の財政力の問題だ。(徳舛 純)