県立柏原病院に医師を供給している神戸大学が、県立柏原病院と柏原赤十字病院の統合構想を県に伝えたのを受け、県庁に取材に行った。医療をつかさどる組織が、県には2つある。1つは、県立12病院を経営する県病院局。もう1つは、圏域の医療のあり方などを検討する、いわば医療行政が担当の健康福祉部だ。保健福祉部は、兵庫医大篠山病院の存続交渉や、以前丹波市が検討していた柏原赤十字病院の市民病院化構想などの際に県の窓口となった。 双方のトップに話を聞いた。端的に言えば、「担当はウチじゃない」という主張だった。以前から神戸大は、公式、非公式に「統合」を投げかけていたが、この調子で問題が先送りされてきた訳だ。そしてその代償が市民と医師に回ってきた。 27日午後3時半から丹波県民局主催の医療フォーラムが開かれる。基調講演後の午後4時25分ごろから知事が10分間あいさつをする。この2年間に、医療はやせ細り、病院は立ち枯れた。県は、知事は何を語るのだろう。まだ進軍ラッパを吹き続けるのだろうか。とうに刀は折れ、矢は尽きているのに。 (足立智和)