「理解」と「見守り」で認知症患者とその介護者を支援する「認知症サポーター」。丹波地域では、2000人を超え、人口比率で県内トップであることがわかった。 「わけもなく、涙がでてくる」。丹波市で開かれた認知症介護者のつどいで参加者がもらした一言。健康で当然だった、愛する親や祖父母、配偶者が、突然病に陥る。そのショックは筆舌に尽くしがたいものがあるだろう。 今、私の身近には認知症の人はいない。が、姉夫婦が福祉の仕事をしているので、その大変さは聞き及んでいる。記憶の脱落、徘徊(はいかい)、興奮―。姉は、「きれいごとだけでは済まされないのが介護の現実」と話す。 しかし、1人でも多くの人が、認知症の理解者だと知れば、介護者の気持ちも和らぐのではないか。2000という数字は、その後ろ盾になる。 「敬老の日」の15日、各地で開かれた敬老イベントに、健常者と変わらない笑顔をたたえる認知症患者の姿があった。講座を受けたサポーターの一人として、理解と見守り、プラス「記事」という方法で、私なりに支援していきたいと思う。 (森田靖久)