インフルエンザの季節

2008.12.11
未―コラム記者ノート

 H5N1型。今年もこの言葉を耳にする季節がやって来た。高病原性の新型ウイルス「鳥インフルエンザ」のことである。 インフルエンザは20世紀に3回、世界的に大流行した。中でも1918年に流行したスペイン風邪は、同年に終わった第1次世界大戦の戦死者の実に3倍以上、5000万人以上がこの病気で病死したとされ、鳥のウイルスが原因ではないかと見られている。 H5N1型鳥インフルエンザウイルスは、今のところ鳥から人への感染例は少数で、人から人にうつる可能性はさらに低いが、変異を得意とするウイルス。いつ感染力を高め新型ウイルスへと姿を変えるやもしれない。もしこのウイルスが感染力を高めれば、地球規模の大流行「パンデミック」が起こるとされ、最悪の場合、死者は3億6000万人にもなるといわれている。 あたかも地球上の支配者のように振舞っている我々人類であるが、ウイルスという小さな生き物の攻撃に右往左往する様を見て、人も地球に暮らす数多くの生き物のひとつにしか過ぎないんだと、存在の小ささを認識させられる。(太治庄三)

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