知事と神戸大の学長が、地域医療連携推進事業に関する協定書に調印した。4月から教授3人が県立柏原病院を訪れ、医師が技術を学べる環境づくりや医療機関との連携方法について研究する。循環型人材育成プログラムの2人の欠員も、消化器内科医と循環器内科医の派遣が決まった。 劇的な改善を期待する声も聞くが、そうはならないだろう。待望の内科医2人の増員だが、2人増えて、ようやく1年前の4月の水準に戻る。効果は「『診療休止の危機』を幾分遠のかせる」だ。教授の来丹は、週に1、2回。外来を応援するというが、「医師が技術を学べる環境をどう作るか」「他の医療機関とどういう連携ができるか」の研究が主になるだろうし、また、そうあってほしいと思う。 丹波地域の医療機能低下の一因は、調整役の不在にも求められる。本来、柏原健康福祉事務所が担う業務だが、調整力に欠け、病院どうし、医師会と病院の連携が希薄な面がある。大学は、医師会や他の医療機関と話をし、人口11万人の地域に合った医療提供体制を研究するという。神戸大の調整能力に期待したい。 (足立智和)