桜の季節を前に

2009.04.02
未―コラム記者ノート

 桜の開花も秒読み段階に入った。桜の下を行き交う人も、時折立ち止まっては、つぼみの大きさに目を細めていた。しかしその先に、ほうき状に密生した枝「テングス病」に気を向ける人は少ない。 テングス(天狗巣)病とは、病原菌の胞子で感染する伝染病で、桜では特にソメイヨシノが冒されやすい。1カ所だけに枝が密生し、葉ばかりを茂らせる。病気のある枝には、花が咲かない上、4―10年以内に枯れてしまう。感染力が強いため、次々に伝染し、枯れた枝部分から雑菌が侵入して、結果的に木本体が枯れる原因となる。 治療はテングスの部分を切り落とし、切り口に殺菌剤(木工ボンドみたいなもの)を塗布。切り落とした枝は焼却処分する。このように治療方法は至って簡単。しかし高所作業であることなどから、手間がかかり、敬遠される。 園芸品種であるソメイヨシノが醸し出す秀麗な美しさは、人の管理によって維持していくもの。作業は真冬となるが、市民有志でテングス治療をしてみてはどうでしょう。「市民みんなが桜守」なんて見出しで、大きく取材させていただきますが。  (太治庄三)

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