「あおり」ではなく

2009.05.28
未―コラム記者ノート

 県内でも感染者が発生し、各学校の休校措置が取られるなど、混乱を招いている新型インフルエンザ。薬局などでは、マスクの売り切れが相次ぎ、入荷してもすぐに長蛇の列ができた店舗もあった。 店舗関係者の男性によると、マスクを見つけた客が競うように手を伸ばし、「目が殺気立っていた」と話すほどの混乱ぶりだったようだ。彼はこうも話す。「住民の過敏な反応は、マスコミがあおって、大げさに報道したからだ」。 人のことは言えないが、確かに今回の報道には、混乱を助長していた面もあったと思う。もちろん、感染予防を報道することは必要なこと。しかし、過剰すぎると、いたずらに不安をあおるだけになる。 前回の記者ノートでは、大阪の高校生が感染した時点で、「高をくくってはならない」と書いた。でもそれは、「あおる」ことではない。必要な正しい情報を、大げさにすることなく伝えるという意味だ。 だからこそ、自戒の意味も込めて、あえて言いたい。 「学校が再開したからと言って、感染の危機は去っていません。どうか落ち着いて、冷静な対処をなされるよう」 (森田靖久)

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