「名前は○○」「うーん、漢字はどんなの?」。子どもたちを取材していると、よくこんな場面がある。ある程度の年齢の方なら、「○○です」「じゃあ漢字はこれでいいですか?」といった具合。何が言いたいのかというと、最近の名前は難しいのです。 多くの読者の方がお気づきだろうが、本紙4面の出生欄と死亡欄を見比べると、名前の傾向の違いに驚かされる。たぶん流行りなのだろう。 この流行りを悪く言うつもりは全くない。難しかろうが何だろうが、自分たちの分身がこの世に生を受けたことに感動し、感謝し、子に託した意味や願いが込められたものということは、いつの時代でも不変だと思うからだ。 私事で申し訳ないが、甥の名は、「叶和(とわ)」。意味は、「平和が永久(とわ)に叶うように」。我が姉にしてはよく考えている。流行りは私の身内にも届いているようだ。 育児放棄や虐待、親が子を、子が親を殺すといった事件が全国的に増えている。こんな時代だからこそ、親は名前を付けた時のことを、子は名付けてくれた親の気持ちを、今一度、考えてみてはどうだろうか。 (森田靖久)