丹波の森公苑で9日に開かれた県立がんセンター婦人科の須藤保医師の子宮頸がんの講演。比喩を交えた「がんとは何か」の解説があり、すこぶる分かりやすかった。
仕組みはこう。人間の体は世代交代を繰り返しながら、正常細胞(アンパンマン)を作り続けるが、健康な人でも異常細胞(バイキンマン。異常だが、「悪さ」はしない)が生じる。人体はよくできていて、バイキンマンを検知し、排除する仕組みを持っている。肺がんにおけるタバコや子宮頸がんにおけるウイルスなど、がんの危険因子は、この検知機能を破綻させてしまう。検知機能が壊れた後も細胞は作られ続けるので、バイキンマンでとどまらず、悪さをする、鬼(がん)、小悪魔(悪性化したがん)など、異常度の高い細胞が生まれ続け、体がむしばまれてしまう―。
子宮がん検診が、肺がんや胃がん検診と決定的に違うのは、後二者は、「鬼」になってからでないと見つけられないのに対し、バイキンマン(前がん状態)を見つけられる点だとか。47都道府県で、なぜか兵庫県が子宮がん検診の受診率が全国一低いそうだ。ぜひ受診を。(足立智和)