統合ありきでないのなら

2011.06.11
未―コラム記者ノート

 「青垣地域のこれからの教育を考える会」が主催したフォーラムを取材した。その中で、「学校統合」以外の選択肢として提示された「小中一貫教育」と、「小規模校ネットワーク」がどういうものなのか、ピンとこない。
 小中一貫教育とは、実際にどのように行うのだろうか。同じ敷地内に学校を建てても、一貫教育とは呼べないだろう。教員の人事や9年間を見通したカリキュラム作りなどをしなければならないが、小学校と中学校の違いはあらゆる面で大きい。その溝を実際に埋めることができるのか。
 また、小規模ネットワークについては、質問が複数出され、市教委は「バス移動に時間がかかる。授業進度も合わせなければならない」とデメリットも挙げた。統合案のデメリットは挙げなかったのに、ネットワーク案についてはデメリットを挙げたのでは、実現性のある案なのか、心配になる。「統合ありきではないのか」。住民からこのような質問が出たのも理解できる。
 市教委には、挙げた案の全てについてメリットデメリットを公平に示し、深い議論に発展させる役割を求めたい。(古西 純)
 

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