篠山産業高校丹南校の3年生が生物の授業で、学校そばを流れる武庫川に定置網を仕掛け、魚類調査を行った。
この場所は、武庫川の上流部に当たる。両岸には草木がうっそうと生い茂り、昔ながらの環境が保たれている。きっちりと3面張りが施された川を見慣れている我々の目には少々薄気味悪さすら漂う。そんな自然度の高い川で、前日から仕掛けていた定置網を引き上げてみると「いるわ、いるわ」。銀色の体をくねらせながら大量の小魚が網の中に入り、ピチピチと跳ねていた。
早速、種類ごとに容器に小分けをし、生徒たちがその数をカウントした。その結果、18種類1518匹もの魚を採集。オイカワやカワムツが大半を占めたものの、中には県レッドデータAランクのシロヒレタビラやBランクのアカザなどもいて、珍魚のオンパレードであった。
一見すると、何の変哲もない小川の細い流れの中に、こんなにも多種多様な生きものが暮らしているなんて、驚きの一言であり、「水は生命の源」という言葉を強く認識させられた。次世代に残したい自然がまたひとつ、こんなところにもあった。(太治庄三)