兵庫県丹波市の「なかで農場合同会社」が開発・販売している赤飯「赤鬼飯」が人気を集めている。特産の丹波大納言小豆をふんだんに使用した逸品。商品名は、「赤飯」に地元の武将で、明智光秀を破った赤井(荻野)悪右衛門直正の異名「丹波の赤鬼」を掛けており、商品開発には近くの氷上高校生のアイデアも参考にした。電子レンジで温めるだけで味わえる手軽さも好評で、同社の中出靖大さん(40)は「農業者が作った商品であることを前面に出したく、小豆の量を多くした。高校生にも助けてもらい、良い商品に仕上がった」と話している。
同市産の丹波大納言小豆とコシヒカリ、兵庫県産のもち米を使用。中出さんによると、通常の赤飯より4―5倍の量の小豆を入れた「ぜいたく」な品。もちもちした食感と、しっかりとした小豆の味が楽しめる。
同社は7年ほど前から丹波大納言小豆を生産。「丹波を代表する特産品を使用した逸品を作り上げたい」と、大阪の加工業者と開発に着手した。開発の過程で、若者の視点を取り入れようと、昨夏、同社農場で就業体験していた同校の山本由梨花さんと安田なな子さんも打ち合わせに同席。パッケージのデザインや商品名についてアイデアを出した。
2000個を生産して販売を始めたところ、6月には完売。追加発注をかけた。
山本さんと安田さんは、「もちもちしていて、小豆のおいしさを感じた。アイデアを出したものが商品になってうれしい」と喜ぶ。中出さんは「丹波地域は、昔から良質の作物を作ってきた。丹波にブランド力があるのは、農業に携わってきた人たちの努力。丹波の農業を継承し、新しい形として展開できれば」と話している。
1個160グラムで650円(税込)。市内の店舗のほか、通販サイトでも購入できる。