篠山城跡の西堀と南堀で、外来種の生息調査と捕獲駆除が行われた。地引網で捕獲する方法で実施。南堀では昨年も行っており、その時には外来魚のブルーギルを約5600匹捕獲した。今回は、両堀合わせても、ブルーギル約220匹、ブラックバス約10匹と、大した成果はあがらなかった。
しかし問題はそこではなく、この環境なら生息しているはずであろう、フナやモツゴなどの在来魚が一匹も網に掛からなかったことだ。参加していた生物部の高校生も「この状況、なんか不気味やね」とつぶやいた。私もそう感じた。
一見、自然豊かに見える篠山。だが、その本質に迫ってみると、本来あるはずの生態系が外来種によって大きくかく乱されていることに気づく。しかし、「外来種め!」と目の敵にするのは大間違い。ブルーギルにしても、近年問題になっているアライグマ、ヌートリアにしても、海外から人の手によって持ち込まれた者たちだからだ。その理由は「かわいい」「毛皮がほしい」など―。明らかに人間側に非がある。ちなみに国内に定着(帰化)した外来種の数は、発見しやすいほ乳類だけでも30種を超える。(太治庄三)