夢が膨らむAR

2012.07.07
未―コラム記者ノート

 丹波竜化石工房ちーたんの館など、丹波市内の3カ所に黒い正方形のマークがかかれた看板がある。スマートフォンを操作してマークをとらえると、画面に立体的な丹波竜が3DCGで浮かびがる。
 このようにスマートフォンなどを介して現実空間にデジタル情報を写しだす技術や取り組みは「AR(拡張現実)」と呼ばれ、徐々に全国に普及しつつある。丹波市ではARを観光などに生かそうと考え、3月からARのコンテンツ(情報の中身、内容)を提供し始めた。
 今の丹波竜、ちーたんのコンテンツから、どう発展するかを空想すると楽しい。黒井城などの史跡、柏原や篠山の城下町や商店街の往時が画面で立体的に復元されるかも。技術が発達して画面を通す必要がなくなれば、江戸、明治期の町並みが一瞬にして目の前に広がるかもしれない。
 ARには発展途上の技術だけに不安もある。コンテンツの発注先がARの規格競争に敗れれば、以降は使えなくなるかもしれない。しかし、夢が膨らむ技術なのは確か。これから丹波市はARの取り組みを仕掛けていくので、見守っていきたい。(河本達也)
 

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