環境省が先日、国の特別天然記念物「ニホンカワウソ」が絶滅したと発表した。覚悟はしていたが、確定したことで野生動物に関心のある私は、何ともさびしい気持ちになった―。
ニホンカワウソはイタチの仲間で、全長は約1メートル。清流に暮らし、河童のモデルとも言われている。1979年、高知県須崎市の川で目撃されたのを最後に、30年以上に渡って生息情報がないことから、国が絶滅と判断。昭和まで生息していた哺乳類が、絶滅種に指定されたのは今回が初めてという。また、カワウソのほかにも、猛禽類や昆虫などの動物5種、植物3種の計8種が絶滅種として新たにリストアップされた。さらには、絶滅の恐れのある絶滅危惧種にハマグリやゲンゴロウなど、私たちに馴染みのある生きものを含む419種が追加され、3574種になった。
四国には、これまでに何度も旅行で訪れたことがあるが、本当に自然の濃い場所がまだたくさん残された地域。往生際の悪い私は、カワウソがそんな四国のどこかにまだひっそりと暮らしているように思えてならない。そう思いたい…。(太治庄三)