「箱わなにクマが掛かったよ」との一報が入り、篠山市小野奥谷集落へと向かった。以前にもこのコラムで書いたが、私のクマ遭遇歴は、北海道と京都府で1回ずつ。京都・芦生で出会ったツキノワグマは、向かい合う山腹をのしのしと歩いていた。その距離300メートル以上。はっきり言って黒い点でしかなかった。そんなクマに今回は檻越しに対面できると思うと、興奮して思わず武者震いした。
「本州で最大最強の猛獣」のイメージを抱いて対面したツキノワグマは拍子抜けするくらい小さかった。全長約1・2メートル。「これだと犬のラブラドールの方が大きいね」などと、箱わな設置者の猟友会メンバーと笑っていると、不意にクマがドンッと檻に力強いタックルを食らわせた。一堂「おー」と声を漏らし及び腰に。檻越しだからこそ言える冗談だと反省した。
同じ頃、丹波市氷上町鴨内でもクマによって神社の社が壊される出来事が発生。社の中に営巣していたミツバチの蜜を狙ってのことらしい。研究者によると、クマは冬眠する12月下旬まで、活発に活動しているとのこと。ご注意を。(太治庄三)