優しい気持ち

2014.03.26
未―コラム記者ノート

 東日本大震災の発生から3年が過ぎた。
 激しい津波に襲われた宮城や岩手では、ようやく復興に向けた動きが見え始めた。原発の影響を受けた福島では依然として先行きが見えない。
 ボランティアは減った。それは悪い意味ではなく、がれきの撤去などの緊急的な仕事がなくなったためであり、少しは落ち着きを見せていることの証拠。ただ落ち着いたが故にできてしまう住民の「空虚」をケアするためのボランティアは、これから先のほうが必要とされてくる。
 西日本に、そして、丹波に住む読者のみなさんは、3年が過ぎ、何を思われるだろうか。もちろん個人の自由だが、私は思ってほしいことがある。「優しさ」についてである。
 震災が起きた時、何よりも輝いたのは、困っている人を助けたいという優しい気持ちだった。すべての行動に優しさが伴っていた。こんなに単純で、美しくて、その半面、忘れやすい気持ちもない。
 難しいことではなく、優しい気持ちを思い返してもらいたい。それさえ忘れなければ、震災の風化もないと思う。(森田靖久)
 

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