公式野球場を持たない篠山市で、市立城東グラウンドを改修し、野球場として整備する事業が議論を起こしている。
議会で設計費などが可決され、本工事へという段になって、市民でつくる「篠山再生計画推進委員会」が実施要領に「適合しない」と答申。市長は再考することを決めた。
市は市民から意見を募り、公開ミーティングを開き、今後の方針を決める予定だ。
「民意を問う」ということだろうが、注意してもらいたいことがある。「サイレントマジョリティー」。つまり、物言わぬ多数派だ。
今回の場合、賛成、反対、どちらがサイレントマジョリティーになるのかはわからない。しかし、いずれにしても上がった声だけがすべてではないということだ。
この件だけでなく、「声を上げないのが悪い」と言う人もいるだろう。ごもっともかもしれないが、行政に求められることは、聞こえる声を聞き、聞こえない声にも耳を傾ける姿勢ではないか。
そして、何より大切なことは、声を上げた人の責任にするのではなく、行政自身の責任でもって判断されることを期待する。(森田靖久)