争点は自身で決める

2014.11.29
未―コラム記者ノート

 2日に衆院選が公示される。前回2012年もこの慌ただしい師走の時期だった。しかし今回、大きく違うところは、この解散総選挙の大義の有無だ―。
 「国民に信を問う」と首相はいうが、何の信を問われているのか、わからない。景気悪化の状況が日々続いているなか、700億円ともいわれる巨額の税金を投じてまで選挙をやる意味はあるのか。それよりも、もっと先にやることがあるのではないか。解散権は首相の「伝家の宝刀」であるとしても、政権維持と強化への思惑が見え隠れする「ご都合解散」としか思えない。
 解散の大義はわからなくとも、争点は自身で決めることができる。経済政策をはじめ、年金や子育てなどの社会保障制度のあり方、集団的自衛権の行使容認、原発の再稼働、TPPなど、枚挙にいとまがない。
 日本は今、岐路に立たされていると思う。だからこそ今の政治に有権者の意思をはっきりと伝えなくてはならない。守られない政権公約にはむなしさを感じるが、それでも強い思いを込めた一票を投じる労を惜しんではならない。(太治庄三)
 

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