丹波市を襲った豪雨災害から7カ月目を迎えようとしている。昨年11月から、辻市長の諮問機関として、復興に向けて先導的に取り組むべき事業案を練ってきた市復興プラン策定委員会が、このほど答申した。市は23日まで市民から事業案に対するパブリックコメントを募っている。
丹波市版では、意見を応募する際の参考になればと、策定委が提案した事業案を連載で紹介している。災害はいつどこで起こるかわからない。復興は丹波市全域の課題であるはず。しかし、市民のどれほどが事業案に関心を寄せているのか。市島だけ、被災者だけになっていないかと危惧している。
今回の災害では、山から50万立方もの土砂が流出。丹波市豪雨災害後に発生し、74人の命が奪われた広島市の土砂災害と同じ量だという。事業案の中には、土砂流出の原因を、手入れ不足の森林にあったととらえ、「人が山へ入る仕組みづくり」を説く提案もある。市内には同じような課題を抱える地域があり、決して他人事ではないはずだ。
市はパブリックコメントを踏まえ、3月末に復興プランを策定する。(田畑知也)