桜の季節が駆け足で通り過ぎようとしている。週末から週明けの雨は、満開の桜には「花散らしの雨」となった。
こども新聞4月号で小学校の桜を特集して、桜について少し勉強した。
「桜前線」で本州の桜の開花基準になっているのはソメイヨシノ。全国で同じ桜を予想しているのかと思っていたが、沖縄はソメイヨシノが咲かないのでカンヒザクラを観測している。
桜の種類は、野生の山桜で100以上、園芸品種で200―300以上もある。ソメイヨシノは、江戸時代に江戸の染井村の植木屋が売り出し、明治にかけて一気に全国へ広まった。和歌に詠まれている桜は山桜で、今私たちがイメージする桜とは少し趣が違った。
桜に表されてきた美的感覚は、現代ではなじみにくくなった部分もあるが、それでも、千年以上にわたって桜を特別な花と感じてきた文化を思うと、過去の人とふれあったような感覚になる。
さまざまの事おもひだす桜かな
今年知った芭蕉の句。花見の思い出が次々と浮かんだ。(古西 純)