毎年栗の渋皮煮を作っている。先日、那覇に行く用事があったので、うちの畑で拾った栗を向こうで渋皮煮に調理してふるまった。栗が取れない沖縄では渋皮煮というか、産地の我々が味わっているような栗本来のおいしさに馴染みが薄いようで、とても喜ばれた。味付けが良いのではない。品質日本一、日本一高価な丹波栗は、おいしいのだ。
農業・食品産業技術総合研究機構(つくば市)が、DNAを解析した結果、日本の在来品種の栗は丹波地方(京都、兵庫、大阪)から全国に伝わり、栽培が広がったという仮説が正しかったことが今年証明され、いっそう「箔」がついた。
兵庫県産丹波栗は希少だ。「丹波栗再生戦略会議」の調査で、昨年度の丹波、篠山両市の生産量が117と分かった。出荷量ベースで昨年度国内全体で1万6000あり、丹波の占める割合は0・73%。2020年に「200」にするのが戦略会議の目標だが、200になったところで、「希少」であることに変わりない。日本一歴史のある丹波栗の生産がもっと拡大すればと思う。(足立智和)