絶食

2009.09.17
丹波春秋

 淡路の健康道場から帰って1カ月。2・5キロの減量はすぐ元に戻り、酒量も以前通りに増えたが、それでも毎日さわやかな朝を迎えている。▼5年前は、3食特製ジュースのみという11日間の絶食コースを体験したが、60歳を超えた今回は、6日間、1日1300キロカロリーの野菜食。玄米粥に野菜の煮つけ、ひじき、豆腐といった献立で、絶食に比べると天国のようなものだが、午後5時の夕食後は、さすがに口淋しい。▼この道場はダイエットもさることながら、過食・過飲の原因となるストレスからいかに自分を解放するかという方法を習得するのが目的。道場長の笹田信五医師の教えは奥深い。▼「人体は75兆個もの細胞から出来、様々な臓器が神経を通じてコントロールされ、ホルモンを分泌して、絶食といった非常時にも健康を維持できる。このようにすばらしい存在は偶然に作られたものではない。私たちは大きな生命の中で生かされている」。▼この認識から出発し、他人の価値観にとらわれず「自分の山に登る」ことによって、充実感を得る。それによって、ストレスに柔軟に対応できるという。しかし実践はなかなか難しく、娑婆に戻るたびにまた道場に引き寄せられる。「ご飯が食べられる」ことの幸福を噛みしめられる。それももう一つの理由かも知れない。(E)

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