アジアの日本語学生を支援するNPOの会合で、留学生と「日本の若者像」について話し合った。東工大大学院の中国人女子学生が「勉強熱心で優秀な友達の日本人女子学生が、アメリカの名門大への留学を許可されたのに、『早く就職して結婚を』という両親から反対され、あきらめかけた」。▼結局は留学を決断するのだが、「日本の学生は内向的で夢を持たない傾向があるのでは」。これに対して他の中国人やタイ、ベトナムからの留学生から「私の周囲では、大体意欲的で夢を持った日本人学生が多い」との意見。▼大阪大の中国人女子学生は「私の印象では、日本人学生の3分の1は夢を持っている。予想より多かった。来日前に日本のドラマを見ていると、持っていない若者ばかりみたいだったから」。▼海外に出たがらない草食系男子の問題について、中年の日本人会社員から「経済が世界最高レベルになった成熟社会ではやむを得ないことかも知れない。でも最近は、やはり日本は外に出ていかないとやっていけないということが、若者にも少しずつわかりかけてきた。これからは大分変っていくのでは」との見方も。▼草食系をあまり過大視する必要はないと、筆者も思う。ことに大震災後、今後の日本の経済社会のあり方について真面目に考える若者が増えつつあるのでは。(E)