慣れは怖い

2017.10.28
未―コラム記者ノート

 台風21号の影響で、各地で倒木や、それに伴う通行止め、交通渋滞、さらに篠山市では停電により選挙の開票ができないという事態まで起こった。丹波市ではけがをされた人もいた。ただ、正直なところ、「たいしたことがなくてよかった」と思ってしまう。

 初めて台風被害の取材をした時、冠水した丹波市柏原のバイパスでひざ下ほどまで水に浸かって写真を撮りながら、すごく怖かったのを覚えている。なのに、その後も何度か高谷川が氾濫する度に取材をしていると、慣れが出てきた。

 そして3年前に発生した丹波市豪雨災害。川の氾濫に加え、土砂の恐ろしさをまざまざと見せつけられた。現場に到着すると、怖さを通り越して、茫然とする感覚があった。

 台風が近づく度に重苦しい気分になるのは変わらないが、「あの時の災害に比べると…」「あの時ほどにはならないだろう」と、つい楽観視しようとしてしまう。慣れは怖い。災害時の備え、心構えをもう一度、考え直したい。最近は週末の度に天候が崩れる。さて今週末は。(芦田安生)

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