外国人介護士の卵たち

2019.06.02
未―コラム記者ノート

 ベトナム人女性を主な対象とした全寮制の介護福祉士養成校「篠山学園」で、同校の生徒と地域住民による餅つき交流会があった。

 同校にはベトナム人以外にも中国人やモンゴル人など99人が在籍。なかには既婚者もおられ、母国に幼子を残してまでも、遠く離れた日本で介護士になろうと学ばれているその熱意に頭が下がる思いがした。

 生徒の皆さんはとにかく明るくて積極的だ。餅つきの際、代わるがわる杵を手にして「よいしょー」の掛け声。その声は徐々に大きくなり、やがて大合唱となって、地域住民と生徒たちの笑顔の輪が広がった。

 同学園によると、2025年、日本国内では4人に1人が75歳以上という超高齢社会となり、一方で介護職員は35万人不足するという。しかし、介護職を選択する日本人の数は激減している状況で、その解決策に、介護職の担い手を外国人に求めた。

 彼女らの熱意と笑顔が、もう待ったなしの深刻な人手不足の介護業界に差し込む一筋の光になってくれることを大いに期待したい。(太治庄三)

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