丹波市が募った職員の勧奨退職(早期退職)に30人以上が応じ、6月末で退職するそうだ。特に、部長級の職員は、半数以上が退職する見通しだという。 丹波市役所は、「定員600数10人の船に、850人が乗っかっている」と例えられている。「200人削減して、10年間昇給停止をしなければ、市財政は健全化しない」そうだ。「役場の人はええなあ、生活は安定しとるし、きっちり週2日休めるし」と、うらやましがられていたのも(再就職のあっせんなどの「特典」が一部あるにしろ)「今は昔」の話になりつつある。 丹波市がまとめた職員人材育成基本方針と市職員研修計画には、本人の申し出で、やりたい仕事がある部署への異動の門戸が開かれるなど、意欲的な取り組みが多く盛り込まれている。愚痴をこぼしながら働くのでなく、やる気を持って資質を磨けば、本人の精神衛生上よいばかりか、住民サービスの向上につながるだろう。 資質向上は、他人事ではない。民間会社に籍を置く自分自身、多方面から支持される高品質の新聞を作っていかなければと思う。「うかうかしていられない」。危機感は、官民を問わない。(足立智和)